オイルを選ぶときに何をみて選ぶ?抽出や精製方法の違いを理解しよう!
たとえばスーパーで見かけるオリーブオイルでも、バージンとエクストラバージンなど種類があって、それぞれを活かす使い方は異なります。それは化粧用のオイルも同じ。でもその違いはなに、価格の違いはなに??知ればもっと自分にあったオイル選びができるようになる!オイルの抽出方法と精製方法の基本をご紹介します。
植物オイルってなんだろう
オイルは主に植物の種などを圧搾して作られます。
種子は植物が発芽してから育っていく過程で必要とされるエネルギーや栄養素が詰まっている貯蔵物質なので、種を圧搾して抽出されるオイルには十分なエネルギーや栄養素が含まれているのは簡単に想像ができますね。
オイルは室温24℃以下でも液状のものをオイルと呼び、24℃で固まれば脂と呼ばれます。アロマテラピーなどで使われる精油は揮発性がある芳香物質で、油っぽいものではないので、精油と呼ばれていますがここで言うオイルとは別ものと考えてください。
植物オイルの製造方法
オイルの値段は様々です。もちろん材料の違いや生産国の違いもあると思いますが、主な違いはその製造方法だと言われます。
オイルは通常「圧搾(あっさく)」して抽出されます。
健康な発芽能力のある種や実を押しつぶして搾ったり、すりつぶしてから圧力をかけて搾ったりします。ここでは代表的な3つの製法をご紹介します。
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低温圧搾法
一気に圧力をかけると、摩擦熱で高温になってしまうため最高でも60℃を越えないよう、厳しい管理のもとゆっくり圧力をかけ圧搾する方法です。この方法では通常15~50%程度しか絞り取ることができず、時間もかかって非効率ですが種や実の栄養素が壊されること無く搾り取ることができるため、そのオイルは非常に香りもよく栄養価も高いとされています。しかし収量が少ないため、他の製法のオイルより価格が少々高めの設定になっています。(一番おすすめ!)
(高温)圧搾法
通常「圧搾法」とだけ記載されていたらこの方法だと思います。高温、高圧下での圧搾であれば85%まで収量を上げることができます。加熱によってオイルのなかに化合物が混ざることがあり、このあとオイルを精製します。
化学抽出法・溶剤抽出法
種や実を粥状に砕いてから、軽ベンジンやヘキサンのような溶剤でオイルを抽出します。これらの溶剤は決して体に良いものではないので、抽出されたオイルは蒸留して溶剤を除去します。しかし、この方法では99%まで収量できるので手頃な価格での提供が可能になります。
もともとは、すべてのオイルが常温抽出されていたのですが、この貴重なオイルをできるだけ多く収量するために製造技術が改良されてきたのですね。
精製と未精製のオイル
(高温)圧搾法や化学抽出法・溶剤抽出法によって抽出されたオイルは、抽出の際に使用された溶剤などを中和させるために、改めて酸やアルカリなどの化学物質を投入して精製する必要があります。精製をすることによって、オイルには様々な変化がおこります。
香りや色、粘度
物質や色素物質なども除去されます。これによってオイルはサラサラで粘度もなく、香りもない透明なオイルができあがります。精油、エッセンシャルオイルなどと合わせて使用する際には、精製されてオイル特有の香りが無いものの方が使用しやすいという方もいるようです。
成分や効能
精製することによって、有効成分の一部が減少してしまうともいわれています。もちろんそれにより、効果や効能のすべてがなくなってしまうわけではありませんが、より有効に効果を得たい方は未精製のものを好んで利用するようです。
天然成分の中には、人体にアレルギーを引き起こす成分を含むものもあります。精製されたオイルはこういったアレルゲンも除去されますので、多くの方には使いやすいものになっていると言えます。
やっぱりオーガニックマークがついている方がいいの?
ここまでオイル選びにこだわったらもう一つ気になるのが「オーガニック」の表記です。
オイルや精油の他、スキンケア商品、食品などにもオーガニックの表記がされているものがあります。
一般的に「オーガニック」表記のあるものは農薬や化学肥料を使わず遺伝子操作をしない有機栽培によって作られた植物を使ったものとされていますが、認定基準は各国それぞれに設けられていて独自の基準値があります。
日本においては、有機JASの制度によって「オーガニック」や「有機農産物」と表示する場合の基準がありますが、これは農作物に対してのみでスキンケア商品については該当しません。海外ではスキンケア商品の認証機関がありますが、日本では日本オーガニックコスメティック協会などがありますが、まだその数は少なく第三者機関に認定を依頼しているスキンケア商品も少ないようです。
参考:日本オーガニックコスメティック協会(http://www.j-organiccosme.org/index.htm)
現状は、「有機」や「オーガニック」と書かれた商品で第三者認定マークなどがないものは企業独自の評価基準に基づいて記載されているものが多いようです。気になるようでしたらお店の方にお聞きしてもいいかもしれませんね。
抽出方法と精製を理解して、自分にあったオイルを選ぼう
せっかく植物オイルを選択するなら、なるべく手を加えず自然の恵みをそのまま受け取れるオイルがベストだと思いますが、製法によってメリット、デメリットがありますので自分にあったものをセレクトしてみてくださいね。
参考図書
- アロマテラピーのベースオイル あなたと磨き輝かす30種類
(フレグランスジャーナル社) - MY CARRIER OILS BIBLE(牧歌舎)